「野中 梓 展」
2016年10月17日(月)〜10月22日(土) Oギャラリーeyes
私は油絵具を使って絵を描くことに自覚的でありたいと思う。
絵具の塗膜の厚みやその層の重なりによって生まれる特有の物質感、描く対象であるモチーフ、その双方を行き来することで、画面上に像(イメージ)が立ちのぼっていく。
今回は主に、白い布の凹凸や重なりを描いたシリーズを展示した。
油絵の画面上において白は、白色の絵具というただの物質でありながら、モチーフの表面に当たる光でもある。
私は白(=光)へ向かって絵を描き進めていく。布そのものにはさほど意味はない。
布の形態は絵具を重ねていく契機としてのみ、画面上に現れる。
2016年 野中 梓