「トゥールビヨン13」
2015年8月31(月)〜9月5日(土) Oギャラリーeyes
私は絵画の「面」について関心を抱きながら油絵を描いている。その「面」とは、描く対象の表面であり、作品の画面であり、また絵具の筆致の集積である。
絵画が「像(イメージ)」「絵具」「意味内容」で出来ているとすれば、「像」はいつも、自分の外側に在るものを選んでいる。それを見て、絵画の画面上に借りてくる。「絵具」、とりわけ油絵具は、描き始めはガサガサしているが、層を重ねるごとに馴染んで段々つやつやになっていくのが心地好い。例えば白いものを描くとする。油彩画のそれは、水彩画の塗り残しの白とは違った白になる。
対象の「像」の表面を見、その形にそった筆致で、画面上に絵具を重ねていく。その繰り返しで絵ができていく。
「意味内容」については、作者の個人的な感情や体験の代替物であるような、もしくは看板や道路標識のような、「読み取るもの」にならないようにしている。描く事、像を刻む事、創る事それ自体が存在意義となる様に、制作をつづけていきたいと考えている。
2015年 野中 梓
「京都嵯峨芸術大学 第43回制作展」
2015年2月4日(水)〜2月8日(日) 京都市美術館